イギリス ブランド生地
英国生地のメッカ"ハダース地方"に点在する優良メーカー
イギリスの中部、ウエストヨークシャー州にあるハダースフィールドは、豊かな自然の恵みに育まれた一大毛織物産地として世界中にその名を知られています。そこには数多くの優良生地メーカーが点在しており、長い歴史にわたり世界中のアパレルメーカーをはじめ、テーラーなどに商品を供給してきました。なかでもここにあげるメーカーはどこも一流のブランドに生地を提供しているミルばかり。それぞれのミルに”カシミヤが得意”、”リネンが得意”、”ツイードが得意”、”超高級品が得意”などの特徴があり、その分野においては一流メーカーと同等かそれ以上の実力をもっています。また、名前が知られていない分リーズナブルな所も魅力の一つです。洋服好きな方なら名前は知ってる!というメーカーもあるかと思います。ぜひあなた好みの生地を探し出してみてください。
イギリス ブランド サンプルイメージ
※一部のブランドのみのご紹介です。実際はもっとたくさんの種類があります。
テーラーロッジ / Taylor & Lodge
歴史と伝統を誇るイギリス服地産業界において、品質・知名度ともにトップレベルに位置するのがこのテーラーロッジです。1883年英国の毛織物産地として名高いハダスフィールドに創業し、服地産業の中心的役割をこなしつつ数々の名品をこの世に残してきました。中でもゴールデンベールはテーラーロッジの代名詞ともいえる逸品で、ロンドンのサヴィルロウでも絶大な人気を誇ります。今は巨大紡績メーカーの傘下に入り、巨大資本のもとさらなる進化を遂げています。
アーサーハリソン / Arthur Harrison
アーサーハリソンといえば真っ先に出てくるのがフォーマルブラック。数ある英国生地メーカーの中でも同社のフォーマル生地は黒の深みが特徴的で、礼服専用に織られたドスキンやバラッシャ、タキシードクロスといった生地は、英国紳士の最上級礼装にふさわしい気品と色気が漂います。スーツ用の織りで作られたフォーマルブラックとは一線を画す、本物の味わいと格の違いをご堪能いただけます。
フォックス ブラザーズ / Fox Brothers
ツイードの元祖といえばハリスツイードが有名ですが、フランネルの元祖といえばこのフォックスブラザーズをおいて他にはありません。第一次大戦中には英国陸軍の制服にも採用され、その実用性は折り紙付きとも言えます。今でもロンドンのサヴィルロウでは、コート地の定番生地として愛されており、英国王室をはじめ、俳優、政治家など多くのVIPからも支持されています。
アルフレッド ブラウン / Alfred Brown
英国ウェスト・ヨークシャーにて創業されたアルフレッド・ブラウンは、英国生地メーカーの中でも最大級の規模を誇り、100年以上に渡って英国の紳士服業界を牽引してきました。英国らしい目の詰まった2PLYを得意とし、ポール・スミスやアクアスキュータム、ダックスといった英国ブランドにも数多くの生地を供給しています。また2010年にはサッカーW杯の、2016年のリオオリンピックの英国チームユニフォームとしてアルフレッドブラウン社の生地が採用されています。
クリソルド / Clissold
100年以上歴史のある伝統ある英国生地メーカーの中ではめずらしく、いち早くから革新的な織機を導入し、コンピューター化された最新の生産体制を整えてきたことで、どこよりも低コストで高品質な商品を作り続けるのがこのクリソルドです。中でも同社の大ヒット商品スーパー160'sは、他社と比べコストパフォーマンスに大変優れているのでおすすめです。クリソルド社の生地は2002年のサッカーW杯のチームユニフォームにも採用されています。
エドウィン ウッドハウス / Edwin Woodhouse
エドウィン・ウッドハウスは、1857年、英国ハダスフィールドで創業しました。近年テーラーロッジと同じく、英国の巨大紡績メーカーの傘下に入りましたが、巨大資本の力を得、伝統と革新とを巧い具合に融合させながら、クオリティーが高く、しかも時代に即した魅力的な生地を生みだし続けています。「伝統的工法を守りクオリティーを最重要視する」という同社のこだわりは変わることなく、世界中の名門テーラー、高級ブランドから絶大な評価を得ています。
フィンテックス オブ ロンドン / Fintex of London
1881年ロンドンのゴールデンスクエアで創業されたフィンテックスは、その名の示すとおり最高級の生地(Fine texture)のみを取り扱う生地卸商として知られています。どこよりもいち早く海外への販売に進出し、FINTEXは最高級服地の代名詞となり、後に英国内外を問わず類似品が多く出回るようになりました。1928年には日本でもFINTEXが商標登録され、以来多くのエグゼクティブがこの最高級生地で仕立てたスーツに袖を通しています。
ダグデール ブラザーズ / Dugdale Bros & Co
1896年に創業されたダグデールブラザーズは、伝統的な英国らしい生地コレクションを取り揃えるマーチャント(生地商社)として知られてきました。古くよりサヴィルロウのテーラーはもちろんプレタ・ポルテにも採用され数多くの作品がダグデール社の生地を使用して作られています。その後ダグデール家からチャーノック家へと所有者がかわりましたが、創業より受け継がれる伝統的なものづくりへの拘りだけは今も受け継がれています。
ベイトマン オグデン / Bateman Ogden
創業より英国ならではの時代に流されない正統派のモノづくりを続けてきたベイトマンオグデン社。戦前・戦中・戦後といくつもの時代をくぐり抜けてきた同社は、紆余曲折を経て現経営陣によりかつてないグローバルな展開を広げることに成功。2015年より本格的に日本での展開もスタートし、今では英国生地のスタンダードとしての地位を確立しつつあります。
リアブラウン ダンスフォード / LBD
1895年創業の英国最大の同族経営マーチャントであるリア ブラウン&ダンスフォードは、サヴィル・ロウのほぼ全ての名門テーラーを顧客に持ち、しっかりとした打ち込みの伝統的英国生地の供給で高い評価を得てきました。日本でも洋服好き垂涎の生地ブランドとして有名です。現在は、ダンスフォード家の若き4代目でいとこ同士のジェームス、マーク両氏が同社の実権を握り、輝かしい歴史を持つ同社を未来に向けて益々発展させています。
ボア ローバック / Bower Roebuck
スキャバルの織元としても知られるボアローバック社は、英国の老舗生地メーカーとして100年を超える歴史を刻んできました。なかでもカシミヤと梳毛ウールを織り交ぜたような高級品に定評があり、ロンドンのサヴィルロウでも評判となっています。近年には最新の設備を導入する大投資が完了し、高品質で低コストな商品を短納期で完成させる体制を整え、さらなる発展を遂げています。
ジョン フォスター / John Foster
古き良き英国のスーツを代表する生地と言えばこのジョン・フォスターを思い浮かべる人も多いはず。200年近い歴史をほこる同社は、幾多の世紀を超えいまでも愛される生粋の英国生地メーカーです。近年では大資本の傘下となり、最新設備のもと伝統的な英国の良さとトレンドを意識した細番手で柔らかなクオリティにも対応し、世界中のテーラーで高評価を得ています。
サヴィル クリフォード / Savile Clifford
スキャバル傘下のミルの一つであるサヴィルクリフォードは、1899年英国のハダスフィールドで創業されました。いち早くから革新的な織機を取り入れたことにより、低価格で高品質な商品を作ることに定評があり、本場英国産でありながら比較的リーズナブルな価格帯で手に入れられるのがこのブランドの魅力です。
ジョン クーパー / John Cooper
18世紀から19世紀に起きた産業革命以来、多くのミルが革新織機へと移行していく中、未だ現役として残っている低速織機は英国内に14台のみといわれています。低速織機とはヨコ糸を通すのに杼(ひ)と呼ばれる木製のシャトルを使う織機のことで、一日に300m以上織り上げる現代の高速織機と比べてたった40mしか織ることができません。その所有者こそがこのジョンクーパーであり、低速織機の名称であるドブクロスは親会社のホーランドシェリーの登録商標となっています。
ムーン / Moon
英国ならではのツイード生地で有名なエイブラハム・ムーンは、200年近い歴史をもつ英国を代表する老舗生地メーカーです。一般的な英国ミルとは異なり、原毛から糸を作り染色し布を織るまでの工程を一貫しておこない、特に染色技術においては500以上からなる独自のレシピを古くから受け継ぎ伝統的な生地を作り上げています。ムーンの生地は縦糸と横糸が織りなすひとつの英国伝統技術ともいえるでしょう。
マーリン エヴァンス / Marling & Evans
マーリンエヴァンスは、創業がなんと1782年創業と英国最古いや世界最古といってもいいほど長い歴史を持つ生地メーカーです。イギリス産業革命が浸透するより以前、手紡ぎ(ホームスパン)によって作られた糸から織り上げるツイード生地は、当時のあらゆる制服として大活躍でした。なかでもアンダイドと呼ばれる無染色の生地は、ウール素材そのものが持つ色を活かした特徴的な商品で、今で言えば地球環境に優しくまさにエコロジーな商品として人気を誇っています。
W.ビル / W.Bill
150年以上の歴史を誇るダブリュー・ビルは、カントリー生地の草分け的存在として知られています。1953年、ニュージーランドの冒険家エドモンド・ヒラリーが、人類初のエベレスト山登頂に成功した時に着用していた生地もWビルのものでした。ドニゴール、シェットランド、ハリスなどのツイード生地はもちろん、伝統的なタータン柄のチェックコレクションは、他にはない豊富なバリエーションが揃っています。
ポーター&ハーディング / Porter & Harding
ポーター&ハーディングは、1947年にカントリースポーツを愛した2人の人物、ジョン・ポーターとビル・ハーディングによって設立されたカントリー服地専門マーチャントです。英国原産のチェヴィオット種の羊毛を使用したツイード地が特に有名で、それらは創業当時と同じ製法で現在も織り上げられています。質実剛健でありながら、英国紳士のカントリーライフを彩るスーツ、ジャケット地として、英国本国は勿論のことそんなカントリーライフに共感を持つ世界中の紳士から愛されています。
スミス ウールン / Smith Woollens
スミスウールンは、1921年にハーバート・スミスとクロード・グラハムによってロンドンのゴールデンスクエアで創設されました。マーチャント(生地卸商)が集まるこの地域でも自社倉庫を持つ数少ない有望卸の一つでした。1930年代からは北欧諸国への輸出にも力を入れはじめ、戦後にはアメリカ市場へと商圏を拡大します。クラシックでありながらソフトな質感の独特なテイストは、今日もエグゼクティブ達を魅了し続けています。
ハーディー ミニス / Hardy Minnis
英国ワラントを所有する生地メーカーといえばJJミニスとジョンGハーディー。ロンドンのサヴィルロウでその名を聞けば知らない人はいないと言われるほど超有名なこの2社が合体し、ハーディーミニスとして生まれ変わりました。伝統的な12オンスの英国目付と呼ばれるコレクションは今でも老舗テーラーの定番素材として英国王室をはじめ多くの顧客に愛されています。
マーチンソン / Martin Sons & Co.
マーチンソンといえばフレスコ。フレスコといえばマーチンソンと言われるほど有名なのが、縦横双糸(2PLY)で織られた夏素材です。柔らかく繊細な糸が好まれる現代において、武骨なまでに英国らしいヘビーウエイト(夏物でも400g超!)でしっかりとしたこの生地は、英国生地を愛する人々には憧れの生地となっています。また目付のしっかりとつまった冬物のイングリッシュフランネルも人気です。
ウィリアム ハルステッド / Willian Halstead
洋服好き、ヴィンテージ好き、英国好きな人々なら一度は聞いたことや手にしたことがあるウィリアムハルステッドは、英国ミルの中でももっとも英国らしい生地を作るメーカーとして知られています。なかでもモヘアを使った商品に定評があり、一般的な平織りの生地だけでなく、あえて綾織(ツイル)にした生地や、他では見ることのない100%モヘアといった希少品も取り揃えています。
チャールズ クレイトン / Charles Clayton
チャールズクレイトンの創業は1959年と英国生地メーカーの中では比較的新しい会社になります。それゆえに伝統に縛られないエレガントで現代的な生地づくりに定評があるのですが、特に英国生地と言えば丈夫でしっかりとした作りのものが多いなか、まるでイタリア生地のように柔らかく艶やかな仕上げが特徴となっています。糸もスーパー120's以上のものを使用し、トレンドを押さえたデザインはまさに英国とイタリアのいいとこ取りといった仕上がりとなっています。
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