イタリア ブランド生地
イタリア生地のメッカ "ビエラ地方" に点在する優良メーカー
イタリアの北部、アルプス山脈のふもとに位置するビエラ地方は、豊かな自然の恵みに育まれた一大毛織物産地として世界中にその名を知られています。そこには数多くの優良生地メーカーが点在しており、長い歴史にわたり世界中のアパレルメーカーをはじめ、テーラーなどに商品を供給してきました。なかでもここにあげるメーカーはどこも一流のブランドに生地を提供しているミルばかり。それぞれのミルに”カシミヤが得意”、”リネンが得意”、”ツイードが得意”、”超高級品が得意”などの特徴があり、その分野においては一流メーカーと同等かそれ以上の実力をもっています。また、名前が知られていない分リーズナブルな所も魅力の一つ。洋服好きな方なら名前は知ってる!というメーカーもあるかと思います。ぜひあなた好みの生地を探し出してみてください。
イタリア ブランド サンプルイメージ
※下記は一部のブランドのみのご紹介です。実際はもっとたくさんの種類があります。
カルロ・バルベラ / Carlo Barbera
イタリアの中でも最高級品質とされるカルロ・バルベラの生地。その独特なものづくりへのこだわりは糸にまで遡ります。オーストラリアで産出されるスーパーファインメリノウールの中でも、一番長くて細い原毛だけを厳選して買い付け、さらに自社にある温度18度、湿度80%に保たれる岩肌をくり抜いた貯蔵庫で、1年~2年もの歳月をかけて糸を馴染ませます。こうすることにより糸は均一な品質を保ち、すばらしい生地へと姿を変えていきます。
タリア・デルフィーノ / Tallia di Delfino
ゼニア、ロロと並び世界三大ミルとも呼ばれるタリアデルフィーノは、イタリア・ビエラ地方で100年以上の歴史をもつ最高級生地メーカーです。スーパー120's以上の原毛しか使用しないというだけでなく、採取される原毛の中でも長繊維のものだけを厳選するといった徹底したこだわりを持ち、独特のヌメリと光沢を合わせ持つ最高生地を作り上げています。本国イタリアではゼニアやロロよりもむしろ人気が高く、おしゃれに敏感なトレンドセッター達から常に高い評価を得ています。
E.トーマス / E.Thomas
イアリア生地メーカーの中でも、かなり通好みといえるのがこのEトーマス社です。カシミヤやシルク、リネン、モヘアといった高級素材を得意とし、スーパー130's以上のウール素材をミックスさせた同社独自の商品ラインナップは、バイヤー自信も欲しくなるような逸品ばかり。価格的には有名ブランドよりもお値打ちなため、目利きができる方ならぜひとも欲しくなるようなコレクションとなっています。
グアベロ / Guabello
200年以上の歴史を誇るグアベロ社は、イタリア・ビエラ地方の中でも老舗企業として知られてきました。高品質な商品を作ることでは他社よりも長い経験があり、ブリオーニやキートンといったクラシコブランドともパートナーシップを結んでおり生地を供給し続けています。ゼニアやロロ・ピアーナよりもコストパフォーマンスにも優れ、上質ものに上手にお金を使う大人のおしゃれを嗜む人におすすめなブランドです。
トラバルド・トーニャ / Trabaldo Togna
160年以上の歴史をほこるトーニャ社は、特にプレタ・ポルテ向けの生地メーカーとして実績があり、メンズのみならずレディース向け生地も生産しています。そのためコレクションはファッション性の高いものが多くトレンドへの対応も他社より敏感。近年ではストレッチ生地の需要が高く、なかでもエストラート(estrato)は他社のストレッチ商品と比べても圧倒的な性能をもち、世界中で高い評価を得ています。
コロンボ / Colombo
ルイージ・コロンボ社は、ロロ・ピアーナと並ぶカシミヤ製品に定評のある生地メーカーとしてその名を知られています。世界中のテーラー、オートクチュールはもちろん、ハイブランドのプレタ・ポルテにも幅広くコロンボの生地が使用され、パリコレやミラノコレクションなどにも頻繁にコロンボ社の生地が登場しています。艶やかなカシミヤの光沢感は、同社がなあが年培ってきた品質管理によるもの。古き良き伝統は今も生き続けています。
ドラゴ/フィンテス / Drago / Fintes
イタリア高級生地メーカードラゴ社は、傘下に日本でのおなじみのフィンテス社を抱え、両者ともに最高級生地を作るメーカーとして知られています。特にアパレルメーカー向けに生産されるスーパー130's以上の生地の7割り以上の世界シェアを誇るとも言われ、欧米では知らない人はいないほど著名なブランドの一つとなっています。近年ではスーパー210'sのスーツ生地を発表するなど、さらなる品質向上を目指しています。
ピアンチェリ / Pianceri
イタリアメーカの中で最もコストパフォーマンスに優れていると言っても良いのが、このピアンチェリ(ピアンチェッリ)です。細番手のスーパー100's~120'sクラスの生地が手頃な価格で手に入るのがこのブランドの魅力。特に日本向けに生産されるものは色柄も落ち着いたトーンの物が多く、ビジネスマンにもおすすめです。トラバルド・トーニャ傘下にあるため品質は折り紙付きです。
トレーニョ / Tollegno
紡績から織り~最終整理まで一貫しておこなう巨大生地メーカー。ロロ・ピアーナと同じモエヘネシー・ルイヴィトン グループに属し、高品質で低価格な製品を量産しています。スーパー100's~130'sといったボリュームゾーンの商品を得意とし、アルマーニやドルチェ&ガッバーナ、ヴェルサーチといった中堅~ハイクラスのイタリアブランドに多く商品を供給しています。
T.G.ファビオ / T.G. di Fabio
イタリアの中でも比較的新しい、新進気鋭ともいえるのがこのT.G.ファビオです。古い伝統を受け継ぐ歴史あるブランドは、それが故になかなか新しいことにチャレンジしにくいといった弊害がありますが、ファビオはタブーをも恐れぬチャレンジ精神で、ポールスミスやランバンといったトレンド感度の高いブランドとのコラボレーションを実現し、あらたなコレクションを発表し続けています。
リアベラ / Riabella
トレーニョと同じくLVMHグループに属し、高品質なウール生地を生産しています。巨大メーカーのトレーニョとは兄弟関係にあるため、いつでも高品質な糸が調達できるのが同社のいいところ。発色の良い色使いと艶やかな質感は、これぞMade in Italyといった仕上がりになっています。トレーニョよりもファッション性が強く、トレンドを意識したコレクションは、多くのプレタ・ポルテブランドにも採用されています。
コメロ / Comero
ボリュームゾーンから量産向けのバーゲンゾーンまで、比較的低コストの商品ラインナップがコメロ社の特徴です。テーラー向けの生地としてワンランク上のクオリティーを使用することが多く、スーパー110's~120's前後のものが人気となっています。価格的にお値打ちなため、オーダースーツビギナーな方におすすめできる商品です。
マルゾット / Marzotto
イタリア最大規模の総合テキスタイルメーカー。生地の一貫生産はもちろん、製品の縫製工場までを傘下に持ち、中堅からハイブランドまで多くのプレタブランドのOEMを手がけています。傘下にグアベロやタリアデルフィーノ、ソンドリオなどを持ち、他にもレディース用生地メーカーやスポーツ・カジュアル向け生地メーカーも持つなど、アパレルのすべてがあるといっても過言ではないほど巨大なテキスタイルグループを形成しています。
アンジェリコ / Angelico
1955年創業とイタリアでは比較的新しい生地メーカーですが、その分最新の設備を取り揃え革新的な素材を開発し、かつ魅力的な価格で提供しています。一貫製造も同社の強みで、織りから染色整理に至るまで自社で管理することにより、高いレベルでの品質を管理できることも同社のセールスポイントとなっています。
クアレーニャ / Quaregna
英国のテーラーでは、いくらハイブランドに採用されていてもプレタブランドに使われるような生地を使用することはあまりないのですが、このクアレーニャは数々のテーラーで取り扱われています。それは古くからの信頼関係が培ったもので、イタリアでも信用おけるブランドである証。英国人のお眼鏡にもかなう生地を今も作り続けています。
アルフレッド・ロディーナ / Alfredo Rodina
年間生産300万m程度とイタリアでは中堅規模の生地メーカー。スーパー100'sクラスの実用的クオリティーの商品生産を得意としており、小回りがきくため欧米のカルバンクラインやヒューゴボス、ラルフローレンといったボリューム~中堅ゾーンのブランドに多く取り扱われています。オーダー用の生地としてはまだあまり知られていませんが、価格的にもお値打ちなためイタリア生地のエントリーモデルとしてはお勧めできるメーカーです。
フェルラ / Ferla
ジャケット地を得意とし、特に近年大流行のブークレと呼ばれる3者混(ウールとシルク、リネンなどの3種をミックスした織り)生地を表面に輪状の糸(ループ)が出るよう加工された織物が人気となっています。これらの生地は生産するのが難しく、有名ブランドメーカーも自社では生産せずフェルラ社に委託するほど。ビームスやトゥモローランドといった日本のセレクトショップでも人気のジャケット地となっています。
オルメザーノ / Ormezzano
リネンやコットンといったジャケット向けの素材を得意とする生地メーカー。近年注目を集めるジャケパンスタイルに欠かせない素材といえば麻や綿ですが、オルメザーノ社の生地はイタリアらしいカラフルなコレクションを取り揃え、その年のトレンドをおさえたイタリア親父たちのマストアイテムとなっています。ハイブランドへの生地提供も多く、まさに時代の最先端ファッションはここで作られていると言っても過言ではありません。
カンポーレ / Campore
イタリアで170年以上の歴史を誇る老舗生地メーカー。糸の紡績から織り~染色~整理と一貫した生産体制をもちクオリティー高い製品を作り続けてきました。メンズ用だけでなくレディース用のファンシーなツイード生地も得意とし、イタリアならではのファッション感度の高いコレクションを取り揃えています。自社で染色もおこなうため、徹底した色へのこだわりも強く、発色の良い色艶は他に類をみません。
ソンドリオ / Sondorio
グアベロやタリアデルフィーノと同じく、マルゾットグループに属する生地メーカー。コットンを得意とし、特にストレッチを効かせたコレクションは大人気となっています。ウール専業の生地メーカーでは作れないような独特な製法は、同社の長年の技術の蓄積から生まれ、かつてないクオリティの新商品を発表し続けています。
ディ・プレイ / Di Pray
ウール、シルク、アルパカ、カシミヤなどの高級素材を使用したジャケット地で有名なディプレイ社。カラフルな色使いのコレクションは、男性のみならず女性からも人気が高く、イタリア・ビエラの中心にほど近い土地にかかえる小さなアウトレットには、高級素材で作られた豪華なアクセサリー、スカーフ、ネクタイ、帽子を取り揃え連日世界中から生地を買い付けにくる買い物客で賑わっています。
テシルストローナ / Tessil Storona
1966年設立の新進気鋭ブランド。特にシルクを使った製品に定評があり、特殊加工を施したような艶やかな光沢を放つスーツ生地は、多くのプレタ・ポルテブランドにも採用されています。オーストラリアから独自に原毛を仕入れ、織り~染色~整理までを自社工場で一貫管理し、時代のニーズである最新設備のもと高品質/低価格/小ロットを実現しています。
※記載されている情報は執筆・撮影当時のものです。タグのデザインや品質など現在販売中のものとは内容が異なる場合があります。また一部廃盤になっていたり、シーズンによって取り扱いのない場合があります。当ページはブランドを紹介する目的で作られています。画像に写っているスーツやシャツ、ジャケットその他のアイテムはメーカー提供のものであり、当社で制作したものではない場合があります。あらかじめご了承ください。